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    ピアノと煙草
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      母はグランドピアノをもっている。音大卒で、ピアノの先生もしていたからだ。
      その母のもっていた灰皿は、グランドピアノの形だった。
      陶製で、白鍵の隙間にはちゃんと煙草を据え置くことができた。

      彼女はスモーカーではないのだけれど、家にいつも灰皿があったのは、彼女の母が
      なかなかのスモーカーだったからだ。
      祖母は近所の家に叔父と住んでいて、大きな黒子が鼻もとにあって、
      派手で若々しい服をきて、よくうちに遊びにきてくれた。
      そして煙草をふかし、グランドピアノの中に灰をたくさんおとした。

      小さい頃はその灰皿があまりに当たり前で、何を感じることもなかったが、
      ふと思い出すとあんなに粋な灰皿はなかなか見かけない。


      祖母、3年前のクリスマスに死んでしまった。
      いってしまう数日前、視界の具合を確認する医師に
      むかって「いやあ、男前の先生が三人も見えてうれしいわあ」と
      つまりはぼやけているんだけれど、みんなの大笑いをかった。

      ピアノの灰皿を使うのはほとんど祖母だけだった。
      今だれかれのアクセサリーが入っているのだったろうか。


      祖母が死んだなんてほんとうは未だに信じがたい。
      もっとハグしたり、手をつないで買い物をしたり、スターバックスにいったり、
      恋の話をしたり、TVをみて笑ったり、すればよかったと思うのだ。
      しなかったわけではないけれど、いや、たくさんしたけれど、
      もっともっと手をつないでおけばよかったと、最近になって涙が出る。
      お葬式でももっと泣けばよかったと思う。なぜかあまり泣けなかったのだ。
      昔いじめにあって家でさめざめ泣いていたわたしに、
      「そんなことで泣かないで、あたしのお葬式のときにとっといてよ」
      と言っていたのに。(それをきいて悲しくてますます泣いたのだが。)



      ピアノの灰皿について考えていたらこんなに祖母の話になってしまった。

      文章もちょこちょこ書いておきたいものだね。
      | nikki | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
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